Dr.輝夫ブログ
睡眠時無呼吸用口腔内装置
当院で睡眠時無呼吸用口腔内装置を製作させていただいた80代の男性が、口腔内装置を装着しての検査結果を持参していただきました。その患者さんは身長167cmで体重は63kg BMI 22.6 という中肉中背の方です。
睡眠時のいびきを奥様に指摘され、大学病院で検査したところAHIが46という高値でCPAPという呼吸が止まると自動的に肺に空気を送り込む装置を装着して就寝するようにしたようです。ところが、咽頭痛や違和感でかえって睡眠が阻害され何か代わりになるものはないかと主治医に相談したところ、口腔内装置での対応を勧められて当院に紹介されて来院されました。
その患者さんの口腔内には義歯も装着されているような状態でしたが、なんとか収まるような睡眠時無呼吸用の装置を製作し、装着していただいたところ使えそうということで、経過を確認することにいたしました。
その装置を装着しての3ヶ月後の検査結果を見させていただきました。その結果を提示いたします。
AHI 46 → 17
最長呼吸停止時間 127秒 → 50秒
最低酸素飽和度 69 → 85
1時間あたりのいびき回数 119回 → 17回
総じて良くなっていますし、患者さん自身の使用感も良いとのことでしたので、このまま使用していただくことになりましたが、もう少し検査数値ができるような装置に改善はできないかと考えています。しかしながら、口腔内装置は顎を前に出すことにより、気道を広くするため、顎に不自然な位置を睡眠時間中取らせるので、数値に納得しないとしてもっと前に出すと顎に負担がかかりすぎてしまう心配があります。
患者さんには『あいうべ体操』などをしていただき、口腔内の筋力を維持して顎を正常な状態に保たれるよう努力していただくようお話しました。
先日当院の医局勉強会で睡眠の重要性についてお話ししました。
生きていく時間の1/3は睡眠時間費やすことはもったいないと考えている方もおられますが、それだけの時間を費やす必要があるようです。人は寝ている時間に体や脳を休ませるだけでなく、生きるために必要な色々なことを調整しているようです。統計によると、睡眠が適切でないと徐々に健康が損なわれるようで、平均寿命が大幅に減少するようです。
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