矯正歯科とは

矯正歯科とは

歯科矯正とは、主に不正な歯並びを整える治療と考えられていますが、それだけではありません。矯正治療は、見た目の美しさを改善するだけでなく、発音の改善や、前歯での確実な噛み切りと奥歯での効果的な咀嚼、さらには全身のバランスを考慮した咬合の調整など、さまざまな機能的な改善も目的としています。
歯の不揃いを矯正することで、清掃がしやすくなり、口腔衛生の向上に寄与するため、結果的に歯の寿命を延ばす予防的な効果も期待できます。また、成長期にあるお子さまに対しては、顎や顔の適切な成長と発育をサポートする役割も果たします。
このように、矯正治療は、審美的な改善に留まらず、機能的な向上や長期的な健康維持を目的とした、歯科医療の重要な一分野です。

歯列矯正を受けるタイミング

歯列矯正を受けるタイミング

1 大人の矯正治療・・・舌側矯正やマウスピース型矯正装置などの目立ちにくい矯正装置を使用することが可能です。

2 中学生・高校生の矯正・・・永久歯列が完成している中高生は、大人の矯正と同じ治療となります。大人に比べると治療期間が短縮できる傾向にあります。

3 こどもの矯正治療・・・Ⅰ期治療とⅡ期治療に分かれます。 Ⅰ期治療は乳歯と永久歯が混ざった混合歯列期に行います。成長期に顎の骨の形を整えたり、口腔周囲の悪習癖の改善を目的とします。

受け口(反対咬合)の場合は永久歯が萌出する前の就学前の時点で、お子さんの悪習癖を矯正するための装置を使用することもあります。一方、Ⅱ期治療では永久歯が生えそろった後に、Ⅰ期治療の後の仕上げの治療を目的とし、歯を移動させて歯並びを整えます。

当院の矯正歯科治療の種類

表側矯正(審美ブラケットと通常のワイヤー)

表側矯正(審美ブラケットと通常のワイヤー)

表側矯正は、最も一般的で広く用いられている矯正装置です。歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置を取り付け、そのブラケットにワイヤーを通すことで歯を移動させていきます。ワイヤーは約1ヶ月ごとに調整を行い、少しずつ歯並びを改善します。ワイヤーにはステンレス製のものと、痛みを軽減するために形状記憶合金を使用したものがあります。これにより、治療中の不快感を最小限に抑えた治療が可能です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)

マウスピース型矯正装置(インビザライン)

インビザラインを使用したマウスピース型矯正は、透明なマウスピースを用いることで目立たない矯正治療を実現します。この装置は取り外し可能なため、食事や歯磨き時に自由に取り外すことができ、口腔衛生を維持しやすいのが特徴です。また、精密な3Dスキャンで作られたマウスピースは、装着時の痛みや違和感が少なく、患者様に負担の少ない治療を提供します。

部分的な矯正治療

部分的な矯正治療

軽度の歯列不正や、インプラント治療の準備として隣接する歯を移動させる必要がある場合には、部分的な矯正治療を行うことが可能です。この治療は、全体的な歯並びの矯正ではなく、特定の歯やエリアに限定して矯正を行うため、短期間で効果を得られる場合があります。

小児矯正

小児矯正

小児矯正は、Ⅰ期治療とⅡ期治療の2段階に分かれています。

Ⅰ期治療では、乳歯と永久歯が混ざった混合歯列期に行い、顎の骨を整えたり、口の周りの悪習慣を改善することを目的とします。取り外し可能な装置や固定式の装置を症状に応じて使い分け、組み合わせて使用することもあります。

Ⅱ期治療は、永久歯がすべて生え揃った後に行う治療で、歯を移動させて歯並びを整えることが目的です。Ⅰ期治療の仕上げとして、さらなる矯正効果を期待できます。

当院では、患者様のニーズに合わせた多様な矯正治療法を提供し、審美性と機能性を兼ね備えた健康的な歯並びの実現をサポートいたします。

歯科矯正治療をおすすめする歯並び

歯科矯正治療をおすすめする歯並び

矯正歯科治療の流れ

  • 1無料カウンセリング

    矯正治療をご検討中の方に向けて、経験豊富な矯正歯科医が無料カウンセリングを実施しています。このカウンセリングでは、お口の状態を直接確認しながら、治療計画、費用、治療期間について詳しくご説明いたします。所要時間は約30分で、患者様のお悩みやご質問に丁寧にお答えしますので、どんな些細なことでもご相談ください。

    1.	無料カウンセリング
  • 2検査・診断

    治療を始める前に、詳細な検査と診断を行います。セファログラムを使用したレントゲン撮影や歯型採取、口腔内の写真撮影などを通して、精密な診査を実施します。これらの検査データをもとに、患者様一人ひとりに最適な治療計画を作成し、治療方針を詳しくご説明いたします。。

    検査・診断
  • 3治療開始

    検査・診断の結果に基づく治療計画にご同意いただいた後、矯正装置を装着します。治療中は、装置の調整のため月に1回程度の通院が必要です。治療期間は個々の歯並びや口腔内の状態により異なりますが、通常2~3年程度です。特に小児矯正のⅠ期治療では、歯の生え変わりによって治療期間に個人差が生じやすくなります。

    治療開始
  • 4保定期間

    矯正装置を取り外した後は、歯の後戻りを防ぐための「保定期間」に入ります。この期間は最低でも約2年間が必要で、リテーナーという保定装置を使用して歯並びを安定させます。リテーナーの使用は、矯正治療の効果を維持するために非常に重要です。

    保定期間
  • 5メンテナンス

    矯正治療が終了しても、美しい歯並びを長く保つために、定期的なメンテナンスを推奨しています。メンテナンスでは、歯並びの確認と必要に応じたケアや調整を行います。健康的な歯並びを長期間維持できるよう、ぜひ継続的なケアをご利用ください。

    中村歯科クリニックでは、患者様に寄り添ったサポートを通じて、安心して矯正治療を進められるよう努めています。

    メンテナンス

矯正歯科のよくある質問

Q.矯正装置が目立たないか心配です

A.当院では、見た目に配慮した矯正治療を多様にご用意しています。歯の裏側にワイヤーを装着するリンガル矯正や、透明な素材のクリアブラケットを使用した方法があり、自然な見た目を保つことができます。また、マウスピース型矯正装置は、透明で薄いプラスチック素材を使用し、患者様の歯型に合わせて製作されるため、装着時も目立ちにくく違和感をほとんど感じません。

Q.大人と子どもで矯正方法が異なるのですか?

A.矯正治療の方法は、乳歯の有無によって異なります。永久歯が揃っていないお子様には、小児矯正を実施し、顎の成長を促進して今後生える永久歯を適切に並べるサポートを行います。永久歯がすべて揃っている方には成人矯正を適用し、口腔内の健康や美しさを高めるための矯正を行います。治療は個々の口腔の健康状態や残っている歯の状態に応じて年齢制限を設ける場合がありますので、一度来院いただき、診察を受けてください。

Q.矯正治療に痛みはありますか?

A.痛みの感じ方は個人差がありますが、矯正装置を装着してから最初の数日間は歯に痛みを感じることがあります。ただし、数日経つと食事など日常生活にも慣れてきます。特に、マウスピース型矯正はワイヤー矯正に比べて痛みが少ない傾向にあります。これは、全体的に弱い力で歯を徐々に動かす仕組みを採用しているためです。さらに、口腔内を傷つけるリスクが少ないため、痛みを軽減できる点も特徴です。

Q.歯を削らなければいけませんか?

A.当院では、健康な歯をできる限り維持する矯正治療を理念としていますが、理想的な歯並びを実現するために歯の調整が必要な場合があります。その際は、患者様に十分な説明を行い、同意を得た上で歯を部分的に削る処置(IPR)を行います。

Q.治療に抜歯は必要ですか?

A.当院では可能な限り抜歯を避ける治療を心がけていますが、状況によっては抜歯が避けられない場合もあります。その際は、十分な説明と患者様の同意を得てから進めます。また、歯間にスペースを作るために、歯の表面を削るIPRという方法を用いることもあります。

Q.虫歯や歯周病があっても矯正治療はできますか?

A.一般的には、虫歯や歯周病の治療後に矯正治療を始めます。ただし、虫歯の位置や歯周病の状態によっては並行して治療が可能なケースもありますので、一度ご相談ください。

Q.通院頻度について

A.通常、1~2か月に一度のペースで通院していただき、装置の調整を行います。マウスピース矯正の場合、複数のマウスピースを一度にお渡しし、通院の間隔を延ばすことも可能です。ただし、その場合は全体の治療期間が長くなることがありますのでご了承ください。

Q.妊娠中の矯正治療について

A.治療前にはレントゲン撮影が必要ですので、妊娠中の患者様には検査を含む矯正治療は出産後に行っていただきます。ただし、妊娠前に検査を終えている場合は、治療を継続することが可能です。矯正装置自体は胎児に影響を及ぼすことはありませんが、通院頻度などに関しては担当医にご相談ください。

Q.ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違い

A.最も大きな違いは装着方法です。ワイヤー矯正は常に装置が装着された状態で、自分で取り外すことはできません。ワイヤーで直接歯を動かすため、複雑な歯並びの治療にも対応できます。一方、マウスピース矯正はご自身で着脱可能で、飲食や歯磨き時に取り外せるため日常の負担が少なくなります。ただし、複雑な歯列には適応できない場合があるものの、歯にかかる負担を軽減した治療が可能です。